「バンジージャンプ(Bungy jumping)」とは、橋の上や高層ビルなどの高い場所から命綱一本で飛び降りるスポーツ、またはアトラクションである。
「バンジー(bungy)」とは、英語のニュージーランド方言で「ゴムひも」のことを意味する。バンジージャンプでは、高い場所から地面や川に向けて飛び降りることで、そのスリルを味わうことが出来る。
そんなバンジージャンプの起源は、南太平洋にあるバヌアツ共和国のニューヘブリディーズ諸島ペンテコスト島で行われている儀式「ナゴール(Naghol)」だと言われている。その儀式は成人への通過儀礼で、木で組み上げた数十メートルにもなる櫓(やぐら)から、足に命綱として植物のツタをくくりつけて飛び降りる。
島の言い伝えによると、ナゴールの起源は10世紀頃のことで、暴力をふるう夫から逃げた妻が登った木から飛び降りたことが始まりである。妻を追って飛び降りた夫は死亡したが、妻はとっさの機転でそばにあった長いツタで足を縛っていたため助かった。この出来事が、現在の成人への通過儀礼や豊作祈願の行事へと変化したという。
このバヌアツの儀式「ナゴール」に影響を受けて、1979年(昭和54年)にイギリスの名門オックスフォード大学のデンジャラス・スポーツ・クラブ(Dangerous Sports Club)のメンバー3名が、吊橋からジャンプした。このクラブは危険なことをスポーツとして楽しむサークルだった。
その後、ニュージーランド出身のアラン・ジョン・ハケット(Alan John Hackett)が、どうにかして安全にジャンプすることは出来ないかと考え、超伸縮素材のゴムひもを作成した。そして、橋の上からのジャンプを成功させ、さらに1987年(昭和62年)にはフランスの首都パリにあるエッフェル塔からジャンプを行った。ジャンプは成功したが、直後に短期間ではあるが、逮捕・収監されたことでも話題となった。
その翌年の1988年(昭和63年)にはハケットがニュージーランドのカワラウ渓谷吊橋において、一般向けのエクストリーム(extreme:過激な)スポーツとして「バンジージャンプ」を始めた。このようにして始まったバンジージャンプは、遊園地のアトラクションなどにもなり、現在では世界中の多くの人々から愛されている。
2020/5/7
カテゴリー「スポーツ」