「真珠」が貝の中に出来る理由

「真珠(しんじゅ)」あるいは「パール(pearl)」とは、貝から採れる宝石の一種である。銀白色の美しい光沢があり珍重される。

貝の中の真珠

真珠は「アコヤガイ」などの貝の体内で生成される宝石で、生体鉱物(バイオミネラル)と呼ばれる。養殖真珠の産業化に成功したのは日本であり、三重県の英虞湾や愛媛県の宇和海、長崎県の対馬での養殖が有名である。

そんな真珠の成分は貝殻と同じで、主成分は炭酸カルシウムであり、結晶の層が積み重なって「真珠層」を形成している。真珠のもととなっているのは、ドブガイという淡水に棲む二枚貝の貝殻を丸く成形したものである。これは「核」と呼ばれ、色は白く、核自体に商品としての価値はない。

この直径8mmほどの核をアコヤガイの体内に入れる。すると、アコヤガイは体内に異物が侵入したと判断し、自分の体を守ろうとする。その結果として、アコヤガイは貝殻の内側と同じ成分を分泌し、その核を包み込む。そして、1~2年の時間をかけて徐々に大きく成長し、真珠が出来上がる。

ただし、全ての核が真珠として綺麗に育つわけではなく、形や大きさ、色などで選別され、商品になるのはごく一部である。厳選された真珠は、加工を専門に行う職人の手により、ネックレスやペンダント、指輪、イヤリング、ブローチなどの装飾品に仕上げられる。

このようにアコヤガイという貝の中に真珠が出来るのは、貝の中に入れた人工の核を異物として認識し、貝殻の内側と同じ成分でその核を包み込むためである。ちなみに、真珠は6月の誕生石であり、真珠に関連する記念日として、6月1日は「真珠の日」、7月11日は「真珠記念日」となっている。

リンクWikipediaコトバンク

2020/5/31

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カテゴリー「生活・科学

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