今では当たり前になっている「セルフ式ガソリンスタンド」だが、「セルフ式」とはいえ、必ず従業員(スタッフ)が常駐している。
セルフ式ガソリンスタンドは、基本的に客が自分でガソリンを入れる「セルフ式」であり、従業員は常駐する必要がないようにも思える。客が使い方が分からず困った時に対応するためというのも一つの理由だが、従業員にはそれ以上に重要な役割がある。
それはセルフ式でもガソリンや軽油は引火・爆発を引き起こす危険物であり、ガソリンスタンドにはどの時間帯にも必ず「危険物取扱者」の資格を持った人を置かなければならないという決まりがある。
危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種があり、乙種は取扱内容によって第1類~第6類に分かれている。セルフ式ガソリンスタンドの場合は、甲種または乙種第4類の有資格者が常駐する必要がある。
そして、セルフ式ガソリンスタンドでは利用者が自由にガソリンを給油できると思われがちだが、実は従業員が給油の様子を監視カメラで確認し、給油の解除ボタンを押すことで、初めて利用者は給油が可能となる。
これは消防法で立会いが義務付けられているためで、引火などの危険の回避や、ガソリン・軽油など給油する油の種類の間違いを防ぐことが目的である。従業員が毎回、給油の解除ボタンを押す必要があり、危険な状況だと判断されるとガソリンは出ない仕組みになっている。
このように、セルフ式ガソリンスタンドに従業員がいるのは、安全のために危険物取扱者の資格を持つ人の常駐が義務付けられていて、客が利用する時に給油の解除ボタンを押す必要があるためである。
2020/6/4
カテゴリー「生活・科学」