「ホットドッグ(hot dog)」は、細長いパンに切れ目を入れ、温めたフランクフルト・ソーセージなどを挟んだ食べ物である。
パンに挟む具材としてはソーセージのほかに、ピクルスやタマネギ、レタス、トマト、キャベツの漬物であるザワークラウトなどがあり、様々なバリエーションがある。また、味付けとしてトマトケチャップやマスタードをつけて食べることが多い。なお、英語の「hot dog」は、ソーセージ単体と、ソーセージを細長いパンで挟んだ食べ物との両方の意味を持つ。
ホットドッグに挟まれているソーセージは、元々ドイツの都市フランクフルトで生まれた「フランクフルター」と呼ばれるソーセージが使われていた。その後、1860年頃にアメリカに移住したドイツ人が鍋で温めたソーセージを売り歩いた時に、そのまま手で持つと熱いためパンに挟んで販売したのがホットドッグの始まりという説がある。
そして、当初は「フランクフルター」と呼ばれていたこの食べ物を「ホットドッグ」と名付けたのは、アメリカの漫画家タッド・ドーガン(Tad Dorgan、1877~1929年)だという説がある。
フランクフルター・ソーセージは、その茶色い見た目と細長い形状が犬のダックスフントに似ているところから「ダックスフント・ソーセージ」とも呼ばれていた。ドーガンは野球場を訪れた際に印象的だったダックスフント・ソーセージが販売されている様子を新聞の漫画に描こうとした。しかし、ダックスフント(Dachshund)のつづりが分からず、単に犬(Dog)として「HOT DOG」と書いてしまった。
この新聞の漫画に掲載された「HOT DOG」の表記がきっかけとなり、この食べ物は「ホットドッグ」と呼ばれるようになったとされる。ただし、この漫画は今もまだ見つかっていないという。
「ホットドッグ」の名前の由来については諸説あり、当時のアメリカにおいて、犬の肉が入っているという都市伝説があったソーセージを「ドッグ」とあだ名で呼んだことに由来する説などもある。そんなホットドッグは、現在ではアメリカにおいて国民食と言われるほど人気のある食べ物になっている。
2020/9/4
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