「ガチ」とは「ガチンコ」を略した言葉で、「真剣勝負、本気で行うさま、真剣に、本当に」などの意味がある。
「ガチンコ」は、元々は相撲界で使用されていた言葉で「真剣勝負」を意味する隠語である。反対語は「八百長(やおちょう)」である。この八百長ではなく、真剣に、真面目に行われるのが「ガチンコ」であり、「ガチンコ勝負」という使われ方もされる。
「ガチンコ」の語源については、土俵の上で力士同士が激しく立会いを行った際、二人がぶつかって「ガチン!」と音がすることに由来するとされる。特に頭がぶつかり合うと「ガチン!」という音がする。そこから「ガチンコ」は「真剣勝負」を意味するようになった。
江戸時代の頃から使われていると思われる「ガチンコ」という言葉は、1950年代に力道山(りきどうざん、1924~1963年)が角界からプロレス界に身を投じて以降、大相撲の慣習や文化を多く取り入れてきた日本のプロレス界においても、同様の意味で用いられるようになった。
ちなみに、八百長とは縁のない力士のことを、俗に「ガチンコ力士」と呼ぶ。また、近年では若者を中心として、「ガチに」「ガチで」という形で使用され、「真剣に、本当に、本気で」などの意味を持つ。「ガチで頭に来た」(本当に頭に来た)のような使われ方がされる。
相撲界の隠語である「ガチンコ」という言葉が広く知れ渡ったきっかけとして、1999年(平成11年)から2003年(平成15年)まで放送されたTBS系列のテレビ番組『ガチンコ!』が挙げられる。TOKIOのメンバーが司会を務め、主に不良少年を集めてプロボクサーをスパルタ風に育成する「ガチンコ・ファイトクラブ」という企画などがあった。
その他にも「ガチ」という言葉が入る番組として、2014年(平成26年)から不定期で放送されたテレビ東京系列の『出川哲朗のリアルガチ』というトークバラエティ番組があり、「ガチンコ」や「ガチ」がテレビ番組のタイトルになった歴史がある。
2020/10/9
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