「束の間(つかのま)」には、「ほんの少しの時間、ちょっとの時間、あっという間」などの意味がある。
「喜びも束の間」「束の間の夢」「束の間の休息」「束の間の幸せ」「束の間も忘れない」などのように使われる。「つかの間」と表記することも多い。
「束(つか)」は、建築用語で「短い柱」を意味し、床を支えるために立てる「床束(ゆかづか)」や屋根を支える「小屋束(こやづか)」、鴨居(かもい)をつり支える「吊り束(つりづか)」などがある。
そんな「束」は、元々は長さを表す言葉である。「一束(ひとつか)」は「指四本分の幅、握りこぶしの幅」で、「一握り分ほどの短い長さ」を意味する。「つか」は「物をつかむ」の「つか」と語源は同じである。また、「間」は「時間」を意味する。
つまり、短い幅の長さを時間の長さに例えて、「ごく短い時間」という意味で「束の間」という言葉が用いられるようになった。
ちなみに、「短い時間」という意味の言葉に「瞬く間(またたくま)」がある。これは「まばたきをするほどの極めて短い時間」という意味である。
2020/8/13
カテゴリー「語源・由来」