「はっけよい のこった」の意味・由来

「はっけよい のこった」とは、相撲の行司が土俵の上で動きの止まった両力士に掛ける掛け声である。

相撲の取組

意外に思われるかもしれないが、大相撲の取組において始まりの合図はない。土俵の上で二人の力士が手をつき、両者の目が合い、呼吸が合った時に立ち上がり、取組が始まる。この取組を開始する瞬間のことを「立合い」という。

「はっけよい」または「はっきよい」は、取組の中で両者の動きが止まった時に、戦いを促すために掛ける言葉である。諸説あるが、「はっけよい」は「発気揚々(はっきようよう)」に由来する説がある。この言葉は「気を盛んに発して、その気が揚がっていく」という意味である。

また、「八卦(はっけ)良い」に由来する説もある。「八卦」は古代中国から伝わる占い「易(えき)」における八つの基本図像のことで、「八卦良い」は「良い八卦になった」という意味である。

その他にも、「早く競いなさい」という意味の掛け声「ハヤキホヘ」の音が変化したという説もある。「ハヤ」は「早」、「キホヘ」は「競う」の命令形「競え」を意味する。

そして、二人の力士が動き出すと行司は「のこった のこった」という掛け声を掛ける。「のこった」はそのまま「残った」という意味で、「まだ両力士とも土俵に残っていて、勝負はついていない」ことを力士に知らせている。

リンクコトバンク国立国会図書館

2020/12/11

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カテゴリー「語源・由来

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