北海道の流氷はどこから流れてくるか

「流氷(drift ice)」は北海道の冬の風物詩でもある。日本では北海道の北東に位置するオホーツク海の流氷が有名だが、この流氷はどこから流れてくるのか。

流氷

流氷は海の水が凍ってできると考える人も多いと思うが、これは勘違いであると言える。塩分を多く含む海水は自然界ではほとんど凍ることはない。それは塩分濃度が高いと凍りにくいためである。

では、北海道の流氷はどこで生まれるのかと言うと、ロシア領のオホーツク海の北部である。その領域に大陸からの川の水や雨水の真水が流れ込むと、海水の表面に塩分の薄い層ができる。その塩分の薄い層が冬の寒さで冷やされ、凍って流氷ができる。

オホーツク海はロシアがある大陸や樺太(からふと:サハリン)、千島列島、カムチャツカ半島などに囲まれた海であり、流氷が安定してできやすい環境である。オホーツク海の北部でできた大量の流氷は、北海道があるオホーツク海の南部へと押し出される形で流れてくる。

そんな流氷とともに北海道に流れてくるのが、「流氷の天使」あるいは「氷の妖精」とも呼ばれる「クリオネ(Clione)」である。

クリオネ

クリオネはハダカカメガイ科に属する貝の仲間であり、頭部にあるバッカルコーン(buccal cone:口円錐)と呼ばれる6本の触手で餌のプランクトンを捕まえるという特徴がある。そのワイルドな捕食シーンは「天使」とは言えない「悪魔」のような恐ろしい姿としても知られる。

リンクWikipediaコトバンク

2021/1/1

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事