右利きの人が多い理由

日本だけでなく世界的に見ても右利きの人が多く、その割合は右利きの人が90%、左利きの人が10%だと言われている。

右利きの人と左利きの人

2020年(令和2年)時点での世界の人口は約76億人であり、その90%の約68億人もの人が右利きだという計算になる。この人類の右利きが90%、左利きが10%という割合は、原始時代の昔から変わっていないという。

人間の利き手が右手になった理由については様々な説があるが、人類が言葉を話すようになったことに由来する説が有力だとされる。人類は進化する中で集団で生活し、狩りをするようになった。その中でお互いの意思を伝えるために、言葉を使うように進化してきた。そこに右利きの秘密が隠されている。

人間の脳には「右脳」と「左脳」がある。そして、主に身体の右半身を左脳が動かし、左半身を右脳が動かすという特徴があり、脳からの命令を伝える神経は左右交差している。左脳には言葉を話す時に使う「言語野(げんごや)」という領域があり、これが右利きの人が多い理由だと考えられている。

人間は言葉をよく話すと左脳がどんどん発達していく。そして、左脳が発達すると右手・右足を使う動作が上手になる。つまり、人類は言葉を話すようになったことで左脳が発達し、右利きの人が増えたというわけである。そして、その結果として現代では右利きの人が暮らしやすい社会になっている。

例えば、一般的なハサミは右利きの人が使いやすい形になっており、駅の自動改札も右利きの人が利用しやすいようにICカードをタッチする場所は右側にある。その他にも、文房具や料理道具、ボトルのキャップ、自動販売機など右利きの人が使いやすい場合が多い。

その一方で、左利きの人が使いやすい左利き用のハサミやカッター、フライ返し、コルク抜き、スライサーなどの商品もある。ちなみに、左利きに関連した記念日として、8月13日は「左利きの日」、2月10日は「左利きグッズの日」となっている。

リンク日本医師会東京大学

2020/10/28

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カテゴリー「生活・科学

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