「つまようじ」に溝がある理由

「つまようじ(爪楊枝)」とは、一般に長さ10cm未満程度の木の棒で、先端がある程度尖らせてあり、反対側には凹凸(おうとつ)の溝がある。

つまようじ

つまようじにはもともと凹凸の溝はなく、先端が尖っていればその役割を果たすことができた。溝のあるつまようじは昭和30年代半ばに誕生したとされており、溝を含んだ装飾は「こけし」と呼ばれ、こけしを模してデザインされたという説がある。

それ以前の溝のないつまようじは両端を尖らせた木の棒を作り、その真ん中をノコギリで切断して作られていた。しかし、このノコギリで切断したつまようじは切断面がささくれるという問題点があった。

その切断面のささくれがつまようじ業界の悩みでもあった。この問題を解決したのはグラインダー(grinder)または研削盤(けんさくばん)と呼ばれるヤスリであり、砥石車(といしぐるま)を高速で回転させ、つまようじの表面を研磨仕上げすることができた。

これによりつまようじの端にできたささくれを削り、きれいに仕上げることできるようになった。この時、つまようじ職人がこけしを模して現在のような凹凸の溝があるデザインを取り入れたと言われている。

ちなみに、日本では大阪府河内長野市が販売や生産などを含めた取扱量が最も多く、最盛期には国内のつまようじの約9割を生産していた。また、「つまようじ」は英語で「toothpick」と表現され、「tooth」は「歯」、「pick」は「つつく、ほじる」などの意味である。

リンクWikipediaコトバンク

2021/4/28

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カテゴリー「生活・科学

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