折る刃式カッターナイフの発明ヒント

刃に折れ目が付いており、切れなくなった先端を折り取れば新品同様の切れ味を取り戻す方式のカッターは「折る刃式カッターナイフ」と呼ばれる。

折る刃式カッターナイフは、大阪府大阪市東成区に本社を置くオルファ株式会社の創業者・岡田良男(おかだ よしお)が1956年(昭和31年)に発明したものである。当時、印刷会社に勤めていた青年の岡田は、戦後に進駐軍の兵隊が持っていた「板チョコレート」をヒントにこのカッターナイフを発明した。

世界最初の折る刃式カッターナイフ「オルファ第1号」
世界最初の折る刃式カッターナイフ「オルファ第1号」

印刷会社では紙を切ることが多く、岡田はカミソリの刃をつまんで切っていたが、危ない上に刃先が摩耗してすぐに切れ味が悪くなるという欠点があった。

そこで、岡田はガラスをガラス切りで傷を付けて割るように切断することと、進駐軍から貰った板チョコが折れ線に沿ってキレイに折れたことを思い出し、切れ味の悪くなった刃の先端部分を折って使う「折る刃式カッターナイフ」を考案し、特許を出願した。

最初は評判が良くなかったが、やがてその便利さが多くの人に伝わり、人気を集めた。岡田はこの「折る刃」からブランド名を「オルファ(OLFA)」とし、当時は「岡田工業」だった社名を1984年(昭和59年)に「オルファ」へ変更した。

オルファのロゴマーク
オルファのロゴマーク

また、その刃の寸法(幅9ミリメートル・18ミリメートル)や折り筋角度(59度)などは全てデファクトスタンダード(de facto standard:事実上の標準)となり、オルファは名実ともに折る刃式カッターナイフの世界ブランドへと成長していった。

リンクオルファWikipedia

2021/8/2

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事