映像に音楽が加わるとより感動する理由

ドラマや映画では盛り上がるところで音楽がかかり、よりドラマチックになる。映像に音楽が加わるとより感動するものである。

テレビドラマの映像

これは音楽が意識を自分に向けさせるスイッチになっているためである。私たちは音楽がついていない映像を見ている時、脳の視覚野がものの形などを認識し、聴覚野が音を、言語野が言葉の内容などを理解する。

これら3つの分野がお互いに情報をやり取りしながら、今見ているものや聞いたものがどういう内容かを理解したり記憶したりする。つまり、何を見ているかを分かろう、覚えようとしている状態である。

一方、音楽がついている映像を見ている時は、感慨深い気持ちになる。これにはデフォルトモードネットワーク(Default Mode Network:DMN)が関係している。デフォルトモードネットワークとは、外からの情報に集中していない時やぼんやりした状態の時に活動する脳のネットワークである。

デフォルトモードネットワークは音楽を聴いている時にも活動し、見ている映像から過去の自分の記憶を引き出し、共感しようとする。そして、懐かしさや悲しみなどの様々な感情が入る。

過去の自分の経験を思い返しながら映像を見ることになり、意識が自分に向き、よりドラマチックになる。このように映像に音楽が加わるとより感動するのは、音楽がスイッチになり、自分のことのように共感・感動するようになるためである。

2025/11/18

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事