人が炭を使うようになった理由

バーベキューなどで火をおこす時に炭を使うのが当たり前になっているが、これは人間が洞窟の中で火を使いたかったからである。

炭

人が炭と出会ったのは約100万年前の話で、この時は落雷や火山から火という存在を知り、どうにかして利用しようとしていた頃である。炭は森林火災によって出来た。その炭が火を長持ちさせることを発見した。そして、ある理由から炭を大量に作って利用するようになる。

当時の人の主な生活拠点は洞窟の中で、木を燃やしてたき火をしていた。火を食べ物を焼いたり、暖をとったりするために使っていたが、火と洞窟はとても相性が悪かった。木の中にある水素や油分が空気中の酸素と結びついて、水蒸気や一酸化炭素となり煙として出ていった。すると、洞窟の中に煙がたまり、息苦しい状況になった。

この問題を解決したのが「炭」だった。炭は作り方によって煙が出ない炭を作れる。旧石器時代の炭の作り方は「伏せ焼き」と呼ばれ、並べた木の上に枯れ葉や土でふたをして空気が入る量を減らす。端から火をつけて空気の量を調整して、木を蒸し焼きのような状態で加熱する。この時、木の内部では「熱分解」が起きている。

熱分解という現象が起こると炭素を酸素がない状態で加熱することにより、内部の様々な成分が分解され外に出る。そして、残った炭素のみが炭となる。炭は熱分解により煙の元となる水分や油分が抜けているため、燃やしても煙が出ず、洞窟や室内でも火を使えるようになった。

約100万年前の人は炭から煙が出ないことを発見し、洞窟の中で料理や暖をとるのに使用した。その後、日本では弥生時代に薄くて丈夫な土器を作ったり、奈良時代には銅を溶かして仏像を作ったり、戦国時代には砂鉄を製錬して刀や槍を製作したりした。このようにして炭は人の生活に欠かせないものになっていった。

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2025/8/13

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カテゴリー「生活・科学

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