勝利の象徴「トロフィー」とは何か

「トロフィー」は、主にスポーツの試合や競技会において優勝者に授与される優勝杯・優勝楯・像などの総称で、色々な形のものがある。

トロフィー

トロフィーは、古代ギリシャの時代にあった「敵から奪い取った武器をくくりつけたタワー」が由来である。古代ギリシャ時代には戦争に勝利すると、敵が逃げた場所に木の柱を建て、敵の盾や鎧、兜、剣などの戦利品をくくりつけてタワーのような記念碑を建てる習慣があった。

その当時、戦いの際に剣や盾を捨てて逃げることはとても不名誉なこととされていた。そのため、敵が退却した場所を残すために敵の武器や防具を利用して記念碑を建てた。その記念碑はトロパイオン(tropaion)と呼ばれ、敵に勝利した結果をアピールするためのものだった。

トロパイオン

その後、古代ローマ時代には敵の武器や防具を戦利品として持ち帰り、自分の国の目立つ場所にトロパイオンを設置することもあった。かつては簡単なものだったが、勝利を後世に伝えるために神殿や塔などの建造物が建てられるようになった。その建造物はトロパエウム(tropaeum)と呼ばれ、現在もヨーロッパの各地にいくつも残っている。

トロパエウム

そして、時代の流れとともに勝利の記念碑(トロパイオン)や建造物(トロパエウム)を建てる文化も次第に失われた。しかし、あることをきっかけに戦いの勝者にトロフィーを与える習慣が広がっていった。

そのきっかけとは15世紀をピークとしてヨーロッパで起こった古代ギリシャ・ローマ文化のブームである。後にルネサンスと呼ばれる古代文明の復興で、トロパイオンやトロパエウムがかつてあったことが広く知られ、スポーツの勝者に与えられる記念品がトロフィー(trophy)として定着した。

トロフィーによくある柱のデザインは当時のトロパエウムの柱をモデルとしていると考えられる。タワー型のトロフィーが多いのも同様である。一度は忘れ去られた古代の風習がルネサンスでよみがえり、2400年以上経った現在でも「勝利の象徴」としてトロフィーが手渡されている。

リンクWikipedia

2025/11/27

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カテゴリー「スポーツ

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