1882年(明治15年)のこの日、日本初の近代動物園として、「上野動物園」が上野公園内に開園した。
当初は1ヘクタールの広さで、水牛・猿・鷲などが人気を集めていたという。入場料は平日が1銭、日曜日が2銭だった。現在、人気のジャイアントパンダのほか、スマトラトラ、ニシローランドゴリラなどの希少動物を含む500種あまりの動物が飼育されている。所在地は、東京都台東区上野公園9-83。
ジャイアントパンダの母親「シンシン」と子「シャンシャン」(2018年1月)
この日は「開園記念日」にちなんで「動物愛護デー」とされている。また、この日は5月4日の「みどりの日」、10月1日の「都民の日」とともに入園料が無料となる。ちなみに「小学生以下」および「都内在住・在学の中学生」はいつでも無料で、5月5日の「こどもの日」はすべての中学生が無料となる。
開園当初は農商務省所管の博物館付属施設だったが、1886年(明治19年)に宮内省所管になり、1924年(大正13年)には皇太子殿下(昭和天皇)のご成婚を記念して、上野公園とともに動物園は東京市に下賜された。これにより「上野恩賜公園動物園」と呼ばれるようになり、1947年(昭和22年)に名称が「東京都恩賜上野動物園」となった。現在は指定管理者制度により公益財団法人・東京動物園協会が管理している。
1948年(昭和23年)に戦後娯楽の少なかった子ども達のため、動物と間近に接することのできる施設として「子ども動物園」が開園した。また、1952年(昭和27年)に開園70周年祭が盛大に行われ、「海水水族館」が開館した。さらに、開園80周年を記念して、1964年(昭和39年)に「大水族館」(水族爬虫類館)が開館した。
第2次大戦中には「猛獣処分」と呼ばれる悲しい出来事があったが、これまで上野動物園は「生きた博物館」として世界各地から集まった様々な動物を展示してきた。また、都立動物園でありながら、日本を代表する動物園としても機能しており、1972年(昭和47年)には、日中国交回復を記念しジャイアントパンダの「カンカン」「ランラン」が来園し、大変なにぎわいを見せた。
上野動物園は多くの動物において繁殖に成功しており、その長い年月で培ってきた飼育技術を活かして、様々な動物の魅力的な展示に取り組み、また、多くの人々に楽しんでもらいながら、野生生物保全の重要性を伝えている。
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