2007年(平成19年)12月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「International Day of Remembrance of the Victims of Slavery and the Transatlantic Slave Trade」。
4世紀以上の期間に渡り、約1,500万人ものアフリカ人の男性・女性・子ども達が故郷から南北アメリカ大陸へと強制連行された。奴隷商人によって買われた人の数は、これよりもさらに多数に上った。生き残った奴隷は売買され、すべての尊厳を剥奪され、すべての人権を否定された。奴隷の子ども達でさえ、親から引き離されて売られ、その利益は「所有者」のものとなった。大西洋間奴隷貿易は極悪非道の犯罪であり、人類史上において最悪の人権侵害とされている。
歴史的な意味での奴隷制度はほとんどなくなっているが、根絶したわけではなく、強制労働や人身取引、性的搾取や奴隷同然の条件での監禁など、形を変えて今も世界各地で根強く残っている。
この国際デーは、現代的な奴隷制度の根絶と人種差別や偏見の危険性についての意識を高めることを目的としている。この日は、残虐な奴隷制度の犠牲となって苦しみ死んでいった人々を思い出し、彼らに敬意を示す日であり、また、奴隷制度の根絶のために決意を新たにする日である。