2013年(平成25年)12月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「World Day Against Trafficking in Persons」。
「現代の奴隷制」とも呼ばれる人身取引(人身売買)は、深刻な犯罪であり、重大な人権侵害である。この国際デーは、そんな人身取引の問題が世界中に蔓延していることを啓発し、人身取引を防止・抑制すること、被害者の保護・支援を行うことを目的としている。
この国際デーは制定された翌年の2014年(平成26年)から実施されており、毎年この日を中心として、啓発のためのイベントやキャンペーンが実施される。
人身取引とは、直接的な人の売買だけではなく、強制労働や性的搾取、臓器売買などが含まれる。また、これらを目的として、被害者に暴力を振るったり、脅したり、だましたり、弱い立場にあることにつけ込んだりするなどの手段を用いて、被害者を支配下に置いたり、引き渡したりすることなどが人身取引とされている。
人身取引は日本を含む世界中で行われているという事実があり、その被害者は世界で2000万人以上とも言われている。社会的・経済的に弱い立場にある女性や子どもが被害者になることが多いが、男性も被害者となり得る。
日本でも売春や風俗店勤務、労働などを強要されるといった犯罪行為があり、私たちの周りにも人身取引で苦しんでいる人がいる。政府広報では、被害者が助けを求めてきたり、被害者らしい人がいたりした場合には、最寄りの警察署や出入国在留管理局(被害者が外国人の場合)に連絡するよう呼び掛けている。
リンク:United Nations、政府広報