蚊の日・モスキートデー(8月20日 記念日)

1897年(明治30年)のこの日、イギリスの細菌学者ロナルド・ロス(Ronald Ross、1857~1932年)が、羽斑蚊(ハマダラカ)類の蚊の胃の中からマラリアの原虫を発見した。

ロナルド・ロス

ロスは翌年の1898年(明治31年)に鳥を使った吸血感染実験により、ハマダラカがマラリアを媒介することを明らかにした。ロスはこの功績で1902年(明治35年)に第2回ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

「マラリア(malaria)」という単語は「悪い空気」という意味の古いイタリア語「mal aria」に由来する。蚊は英語で「モスキート(mosquito)」であり、この日は「World Mosquito Day」とも呼ばれる。

ハマダラカは世界におよそ460種が知られ、一般にマラリア原虫をヒトに媒介しているのは、そのうちの30~40種である。「ハマダラカ」という和名は、羽に白黒のまだら模様があることに由来する。

他の蚊の仲間と同様に、ハマダラカの生活環は卵・幼虫・蛹・成虫の4つのステージにより成り立っている。卵から蛹までは水中で過ごす。成虫になると、メスのハマダラカはマラリアの媒介者となる。

蚊

蚊はヒトを刺して血を吸うイメージがあるが、蚊が主食にしているのは花の蜜や果実の汁、樹液など糖分に富んだ液体である。血を吸うのは蚊のメスだけで、産卵のために卵巣を発達させる必要があり、その栄養源のタンパク質をヒトや動物の血液から得ている。

蚊の寿命は長くて1ヵ月ほど。蚊に刺されることで、マラリアやフィラリア、日本脳炎、デング熱、黄熱、ジカ熱などの感染症にかかる場合がある。蚊が媒介する病気で亡くなる人は1年間で約80万人以上ともされ、蚊は地球上で人を最も殺している生物でもある。

リンクWikipediaコトバンク

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カテゴリー「8月の記念日」「今日は何の日

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