2009年(平成21年)12月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「International Day Against Nuclear Tests」。
人々の生命と健康に対して破壊的で有害な影響を及ぼす核実験の廃止と、核兵器の廃絶が目的。また、核実験による犠牲者を悼むとともに、核実験が地球の環境と世界の安定に依然として脅威を及ぼし続けていることを改めて世界に訴える日である。
この国際デーは、1991年(平成3年)8月29日に世界最大の核実験場の一つである旧ソビエト連邦(現:カザフスタン)のセミパラチンスク核実験場が閉鎖されたことに由来する。
同実験場では、1949年(昭和24年)から1989年(昭和64年/平成元年)の40年の間に合計456回の核実験が行われた。実験により付近の街に放射性降下物が降り注いだが、市民の被曝による影響はソ連政府によって隠蔽され、1991年の実験場の閉鎖間際まで明らかにされることはなかった。また、1965年(昭和40年)に行われた地下核実験により大地は吹き飛ばされ、人造湖「チャガン湖」が誕生した。この湖とその付近は現在でも高濃度の放射線が観測され、その放射能汚染の高さから「原子の湖」(Atomic Lake)とも呼ばれる。
核実験と核兵器のない世界を目指して、この日を中心としてシンポジウムや展示会、講演会などのイベントが開催される。