東京都豊島区高田に事務局を置き、速記の普及・発達を目的とし、速記技能検定の認定などを行う公益社団法人・日本速記協会が制定。
1882年(明治15年)のこの日、田鎖綱紀(たくさり こうき、1854~1938年)が東京・日本橋で初の速記講習会(日本傍聴筆記法講習会)を開催した。この速記法は田鎖が自ら考案したもので、その速さから田鎖は「電筆将軍」と呼ばれた。1888年(明治22年)に、講習会の7周年記念会を開いた時にこの日を「速記記念日」として制定した。
現在では日本速記協会が中心となり、広く速記に関する関心を啓発するため、この日を中心に速記競技会やパネル展示などのイベントが実施される。また、同協会のサイトでは記念日の名称を「速記の日」としている。
速記(shorthand)とは、速記文字や速記符号とよばれる特殊な記号を用いて、言葉を簡単な符号にして、人の発言などを書き記す方法をいう。主に議会や法廷の発言を記録する分野や出版、ジャーナリズムなどで利用されている。
この技術の知識体系を速記法、技術を運用する方法を速記術、実際に運用する者を速記者という。また、日本速記協会では文科省認定速記技能検定試験1級に合格し、申請した者を速記士に登録している。
日本語の符号速記(手書き速記)は、基礎符号に、文字ではなく、表音機能を持つ図形を用いる方法である。田鎖式、参議院式、衆議院式、熊崎式、中根式などがある。田鎖式は、アメリカのグラハム式を日本語に適用した方式である。