神奈川県横浜市で1927年(昭和2年)12月1日に開業した老舗ホテル「ホテルニューグランド」を運営する株式会社「ホテル、ニューグランド」が制定。
今では洋食の定番人気メニューとなった「ドリア」は、ホテルニューグランドの初代総料理長を務めたサリー・ワイル(Saly Weil、1897~1976年)が考案した料理である。
サリー・ワイルは、1927年にニューグランド開業の際にフランス・パリから招かれたスイス人シェフである。フランス料理のシェフだったが、西欧料理全般に長けていて、イタリア料理やスイス料理なども得意としていた。
ある時、ホテルに滞在していた銀行家から「体調が良くないので、何かのど越しの良いものを」との要望を受けて、サリー・ワイルが即興で創作した一皿が「ドリア」だった。
その時に作ったのは、バターライスに海老のクリーム煮を乗せ、グラタンソースにチーズをかけてオーブンで焼いたもの。好評だったこの料理は「シュリンプ ドリア」(Shrimp Doria:海老と御飯の混合)としてホテルのレギュラーメニューになり、名物料理の一つとして今日まで愛され続けている。
また、そのホテルの「ドリア」が弟子達によって他のホテルや街場のレストランでも提供されて広まり、全国の洋食の定番料理「ドリア」として大人気となった。
記念日の日付は、サリー・ワイルが来日しなければ「ドリア」は生まれなかったので、サリー・ワイルがスイスから来日した1927年(昭和2年)10月29日から。記念日は2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
サリー・ワイルは、約20年間にわたり日本に本場ヨーロッパのレシピや技術を伝え、日本の西洋料理の発展に寄与した。
後にスイスへ帰国してからは日本からの留学生の受け入れに尽力し、日本から留学した留学生達からは「スイス・パパ」と慕われた。サリー・ワイルがいなければ、日本の西洋料理界の発展は数十年遅れただろうとも評される。
なお、ホテルニューグランドの公式Webサイトでは、同ホテルの発祥グルメとして「シーフード ドリア」の他に、「スパゲッティ ナポリタン」と「プリン・ア・ラ・モード」が紹介されている。
リンク:ホテルニューグランド、Wikipedia