グリーフを考える日(11月23日 記念日)

兵庫県西宮市に本部を置く関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」が制定。

「グリーフ(grief)」とは、大切な人やペット、身体の一部や機能、環境など、自分にとって重要な何かを失った時に感じる悲しみや喪失感を指し、身体や感情、行動などに反応が出る。

悲しむ女性

日付は精神的なエネルギーを大量に消費する「グリーフワーク(喪の作業)」の途上にいる人や、それを支援する人を労う(ねぎらう)意味で「勤労感謝の日」である11月23日に。また、亡き人への感謝の日という意味合いもある。

「グリーフ」の存在を自覚し、広く理解を促すことで遺された人それぞれの想いが尊重され、悲しみとともに生きていくことが認められる社会となることが目的。また、今まさに深い悲しみを抱えた人には、自らを労り(いたわり)、自分に優しくする日にしてもらいたいとの思いが込められている。

「グリーフを考える日」制定記念講演会

記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。同年11月23日(木・祝日)には記念日の制定を記念して「グリーフを考える日」制定記念講演会がオンラインで開催された。

悲嘆と死別の研究センター

関西学院大学の「悲嘆と死別の研究センター」は2021年(令和3年)4月に開設された。悲嘆と死別に関する学術研究の拠点として、基礎研究から実践研究まで、ミクロ・メゾ・マクロレベルでの幅広い研究を、研究者・支援者・当事者が協働して展開していく。

また、グリーフケアにたずさわる人材の養成にも取り組むとともに、研究者・支援者等のネットワークの構築や、悲嘆と死別に関する情報発信や啓発活動などの事業も計画している。研究知見を積み重ねつつ、多様な事業を展開することを通じて、悲嘆を抱える人々への適切な支援の実現に貢献したいと考えている。

「グリーフ(grief)」とは、英語で「悲嘆」や「深い悲しみ」「苦悩」を意味する言葉で、特に愛する人と死別した際の悲しみを指す。「悲嘆(ひたん)」は愛情を注いだり依存したりする対象を死別・別離した際に生じる反応のこと。

グリーフの身体的な反応には、疲労や不眠、食欲不振、体調不良などがある。感情的な反応には、悲しみや怒り、孤独感や不安、無力感などがある。そして、行動的な反応には、社交的な引きこもり、集中力の低下、自己破壊的な行動などがある。

グリーフの期間は人によって大きく異なる。一般的には最初の数週間や数ヵ月は、深い悲しみや喪失感が続き、つらい気持ちに打ちひしがれることが多い。そして、時間が経つにつれて、悲しみが軽減されたり、現実を受け入れられたりするようになっていく。

ただし、グリーフは単に時間が経過すれば必ず収まるものではない。必要な時間には個人差が大きく、グリーフが長期化したり、深刻な心理的問題を引き起こしたりする場合には、専門家の支援が必要な場合もある。

その一方で、グリーフを経験することは、悲しみや苦しみを乗り越えるための力や、成長するための機会にもなる。また、その経験を通して、人とのつながりを深めることもできる。

したがって、グリーフを経験することがあっても、その時々で必要に応じて身近な人や第三者からの適切なケアがあれば、そのつらさを乗り越え、新たな自己や人生の可能性を見出すことができる。

リンク悲嘆と死別の研究センター

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カテゴリー「11月の記念日」「今日は何の日

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