「国民の祝日」の一つ。1948年(昭和23年)に公布・施行された「祝日法」で制定。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としている。
農業国家である日本は、古くから神々に五穀の収穫を祝う風習があった。この日は戦前において宮中祭祀の一つ「新嘗祭」(にいなめさい・しんじょうさい)の日であった。
新嘗祭とは、天皇が新しく収穫された新穀を食べて、その年の収穫を感謝する儀式である。これが第二次世界大戦後のGHQの占領政策によって天皇行事・国事行為から切り離される形で改められたものが「勤労感謝の日」である。
新嘗祭は1872年(明治4年)までは旧暦11月の2回目の卯の日に行われていた。1873年に太陽暦(グレゴリオ暦)が導入されたが、そのままでは新嘗祭が翌年1月になって都合が悪いということで、新暦11月の2回目の卯の日に行うこととした。それが1873年では11月23日だった。
しかし、翌1874年(明治7年)からは11月23日に固定して行われるようになった。11月23日という日付自体に深い意味はなく、たまたま日本が太陽暦を導入した年(1873年)の11月の2回目の卯の日が11月23日だっただけのことである。
休日としての歴史は1873年(明治6年)公布の太政官布告「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」から続いている。一時は5月1日のいわゆる「メーデー」に「勤労感謝の日」を移動させる案が浮上したが、現在は頓挫している。
「勤労感謝の日」に由来する記念日は多く、「外食の日」「小ねぎ記念日」「珍味の日」「ワーク・ライフ・バランスの日」「生命保険に感謝する日」「キンカンの日」「キンレイ感謝の日」「お赤飯の日」「産業カウンセラーの日」「フードバンクの日」「ストレスオフの日」「いい入札の日」「ラク家事の日」「ねぎらいの日」などがある。