東京の池上本門寺の仁王象のモデルはアントニオ猪木

お寺の表門などでみかける仁王様は金剛力士といい、もとは古代インドの神様だった。鎌倉時代につくられた奈良の東大寺南大門の仁王像が特に有名。

東京にある池上本門寺は1945年(昭和20年)の空襲で仁王門と仁王像を焼失し、1977年(昭和52年)に仁王門、翌年に仁王像をそれぞれ再建した。その際、アントニオ猪木を仁王像のモデルにしたのである。

アントニオ猪木をモデルに選んだ理由は、同寺に力道山のお墓があり、節分の時にはプロレスラーが力士・プロ野球選手・芸能人らとともに豆まきをするなど、プロレスと縁の深い寺だからである。

また、この現代版仁王像をつくった彫刻家の圓鍔勝三(えんつば かつぞう)も大のプロレス好きでアントニオ猪木のファンだったという。現代人と昔の人では骨格や体格も変化しているので、モデルも現代人としてアントニオ猪木を参考にしたというわけだ。

他にも従来の仁王像とは異なる点があり、例えば、仁王像は両足を平行にして踏ん張る仁王立ちのポーズが一般的だが、この仁王像は片足をあげて踏ん張っている。また、天衣は下に下がるのが一般的だが、この像では上に高く舞い上がっている。モデルも様式も新しいタイプの仁王像なのである。

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カテゴリー「歴史・文化

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