日本アルプスとは、飛驒山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)の3つの山脈の総称である。
1881年(明治14年)に刊行された『日本案内』の中で、飛彈山脈を調査したイギリス人鉱山技師のウィリアム・ゴーランド(1842~1922年)が、ヨーロッパの「アルプス山脈」にちなんで、そこから見える山脈、周辺含めて「日本アルプス」と紹介したのが名前の由来である。後に登山家の小島烏水(1873~1948年)が飛騨山脈を「北アルプス」、木曽山脈を「中央アルプス」、赤石山脈を「南アルプス」とした。
日本アルプス
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奥から順に北アルプス、中央アルプス、南アルプス
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一般に「日本アルプスの父」とまで呼ばれるイギリス人宣教師のウォルター・ウェストン(1861~1940年)は、自身が盛んに日本アルプスに登り、また、ヨーロッパにも日本アルプスの名を紹介した。上高地にはウェストン碑があり、また毎年ウェストン祭が行われている。
アルプス山脈(英語:Alps、フランス語:Alpes、ドイツ語:Alpen、イタリア語:Alpi)の名前の由来は、「スイスの高山」や「スイスの高山山腹の夏季放牧場」を意味する「アルプ」(英語:alp、フランス語:alpe、ドイツ語:alpe)がいっぱいあるから「アルプス」であると考える説と、ケルト語で「山」を意味する「alp」または「alb」を語源とし、ラテン語を経由したと考える説がある。ラテン語で「alb」は「白」を意味し、「氷雪に覆われた白い山」という意味で名付けられたとする説もある。
ヨーロッパでは森林限界を抜きんでたアルプスのような山岳だけが高山と呼ばれたため、「アルプス」は高山の代名詞となり、ヨーロッパ以外でもアルプスと類似した景観を示す山岳には「アルプス」の名が付けられた。日本アルプスの他にもニュージーランド・アルプス(サザンアルプス)などがある。また、「アルプスの」という意味の形容詞は英語で「アルパイン」(alpine)であり、これも高山や山岳を指す言葉となり、アルパイン・フローラ(Alpine flora)は「高山植物」、アルパイン・クラブ(Alpine club)は「山岳会」を意味する。
スキー競技の一つであるアルペンスキー(英語:Alpine skiing、ドイツ語:Alpenski)の「アルペン」(Alpen)は、ドイツ語で英語の「アルプス」(Alps)に相当する言葉である。アルペンスキーという言葉を日本語に訳すと「山岳スキー」になる。
2017/10/21
カテゴリー「語源・由来」