パンダの特徴といえば顔や体の白黒模様だが、目の周りや耳が黒いのには機能的な意味があるという。
ジャイアントパンダ
画像元:アドベンチャーワールド
以下の内容は、2017年2月28日にオックスフォード大学が発行する専門誌『Behavioral Ecology』に掲載されたアメリカのカリフォルニア大学とカリフォルニア州立大学の共同研究の結果を踏まえたものである。
パンダは中国の内陸部に生息しており、そこは冬には雪が積もる地域である。パンダの白い部分は雪の白色に紛れて隠れやすい。逆に黒い部分は日陰に入った時に一体化して見えなくなり、これらは「カモフラージュ」の役割がある。
顔の模様については従来、寒い冬に目や耳の温度低下を防ぐため、太陽光から熱を吸収しやすい黒色をしているという説や、目の下が黒いのは雪山での強い反射光を吸収する役割があるという説があった。後者については野球選手が目の下を黒く塗るのと同じ理由で、地面に反射する太陽光の眩しさを抑える働きがある。
パンダの白黒模様の機能
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顔の模様についてのこれらの説は最近の研究で変わりつつある。上記の研究によると、耳が黒いのは凶暴性や攻撃的な意志など敵を威嚇するためのものだという。また、目の周りの黒色を含む顔の白黒パターンは、カモフラージュではなく、互いを見分けるなど同種間での「コミュニケーション」に使われているという研究結果を出している。
なお、白色と黒色の2色なのは竹や笹という栄養価の低い食物しか食べられないことに由来すると考えられている。
2018/1/24
カテゴリー「生き物」