北アルプスを貫き、富山と長野を結ぶ山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」。そのルートにある「雪の大谷」はGWの時期には巨大な雪の壁が高さ15m以上にもなり、白銀の幻想的な世界を体感することが出来る。
息をのむ白い絶景を見せる雪の大谷だが、2000年以降に訪れる観光客が劇的に増加した。その裏には世界も注目する技術の進歩が隠されている。それは除雪作業にGPSを導入した事で、2車線に出来たからである。
2000年より前、車道の幅はバス1台が通るのがやっとの広さだった。2000年以降、GPSを使った除雪作業がスタート。その結果、車道の幅が2車線になり、観光客も歩けるようになったため、その数が激増した。
GPSを使う以前の方法は、車道にあらかじめ高さ8mのポールを立てて、それを目印に除雪を行っていた。しかし、雪の大谷は積雪が15mを超えるため、8mのポールは埋もれてしまう。かつてはポールの見えない場所を除雪する際、道路に引かれた車線を頼りに1車線分だけを除雪するのがやっとだった。
それが2000年以降、除雪車にGPSが搭載されると、ポールなしでも位置の把握が可能となり、cm単位で正確に除雪が可能となった。これにより2車線分の広さを確保出来るようになった。雪の大谷が開通するまでの期間は約1ヵ月で、道の位置をGPSで確認しながら除雪車で少しずつ掘り進めて作られている。
リンク:立山黒部アルペンルート
2018/8/2
カテゴリー「生活・科学」