シャープペンの後ろ側には小さな消しゴムが付いているが、この消しゴムが消えなくてイライラした経験は誰しもあるだろう。
普通の消しゴムはよく消えるのに、なぜシャープペンの消しゴムはあんなに消えにくいのか。これにはちゃんとした理由があり、普通の消しゴムに使われる素材と関係がある。
画像元:PILOT
普通の消しゴムとシャープペンの消しゴムは素材が全く違う。普通の消しゴムはプラスチック製で、ゴムが繊維の隙間に入り、鉛筆の粒子をくっつけて取り除く。一方、シャープペンの消しゴムは硬いゴム製で、紙の表面ごと削り取っているため、隙間に入った鉛筆の粒子をうまく取り除けない。では、なぜシャープペンは消えにくいゴム製の消しゴムを使っているのか。
それはプラスチック製の消しゴムには可塑剤(かそざい)という溶剤が入っていて、これが他のプラスチックを溶かしてしまうためである。プラスチック製の消しゴムは他のプラスチック製品に長時間触れていると可塑剤がプラスチックを溶かしてしまう。よく消しゴムを裸で置いているとプラスチック製の定規などにくっついてしまうが、これは可塑剤がプラスチックを溶かしている事が原因である。
さらに普通の消しゴムをシャープペンの消しゴムとして使うと、普通の消しゴムは柔らかいため、すぐに折れてしまう。そのため、シャープペンはどれだけ進化しても可塑剤の入っていない硬いゴム製の消しゴムを使わざると得ないのである。
2018/8/4
カテゴリー「生活・科学」