「せせり(首の肉)」「ぼんじり(尾骨の周りの肉)」「ちょうちん(卵管と卵巣)」など焼き鳥には変わった名前が多いが、コリコリとした食感が特徴の「砂肝(すなぎも)」も変わった名前である。
「砂肝」の名前の由来は、本当に砂が入っているからである。実際に砂を取り除く前の砂肝を切ってみると、中には餌にまみれて砂や小石がぎっしり入っている。
鳥類は基本的に歯がないため、全部飲み込む。大きな餌でも飲み込んでしまうため、これをすり潰す臓器がある。それが「砂嚢(さのう)」であり「砂肝」の事である。砂嚢は鳥類・爬虫類・ミミズ・魚類などに見られる消化器官である。
砂嚢の中では飲み込んだ砂や小石が食べた餌と一緒になり、筋肉がギュッと動いてすり潰され細かく砕かれる。そして後ろの消化管へと送られる。鳥類にはこの砂嚢があり、これを「砂肝」として人が食べている。
アヒルの砂嚢
画像元:Wikipedia
砂肝特有のあの食感は、砂で餌をすり潰す際に付いた強い筋肉がその正体である。それがあのコリコリとした食感を生み出している。
2018/8/9
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