日本の利用者は1年間のべ44億人もいるバスだが、バス停で待っていてもバスがなかなか来ないことがある。時刻表より何分も遅れて来たという経験は誰にでもあるだろう。
通勤・通学に利用する人にとってはバスが遅れることは心配事の一つで、バスが遅れることを見越して行動している人もいると思われる。しかし、バスの時刻表はそもそも守れない様に作ってある。
例えば、都内のあるバス停では到着時刻が13時6分・26分・46分となっている。次のバス停はこの時刻より遅くなっているはずだが、350mある次のバス停の到着時刻は同じ13時6分・26分・46分となっている。距離の離れた2つのバス停の時刻表がすべて同じになっている。これでは絶対に時間を守れない。
なぜバスの時刻表は守れない様に作ってあるのか。これは「客が最も困ること」への対策のためである。
バスが遅れる分には客は待つことができる。しかし、バスが先に行ってしまうと時間に合わせてバス停に来てもバスがいない状況になってしまい、客に一番迷惑をかける。この「早発」がバスの運転手が最もやってはいけないことである。
というのも、路線バスは法律で「時刻表の発車時刻より1秒でも早く発車してはいけない」ことが定められている。これは電車も同じである。早発を防止するために意図的にこのような時刻表に設定されている。
そんな時刻表にしなくても、早くバス停に着いた場合はその場で待機して時間を潰せばよいが、バスがバス停に長く止まっていると後ろに渋滞ができてしまう。そのため、バスは遅れてやって来る。1秒でも早く出発することはバスの運転手にとって減給処分の対象になるという。
2018/8/18
カテゴリー「乗り物」