旬の魚は美味しいが、これは科学的にはどういう意味なのか。人は魚の美味しいさを「脂の乗り」と「イノシン酸」で感じている。
そのため、脂の乗った旬の魚は美味しく感じる。しかし、その一方で脂の少ない部分を食べ比べすると人は魚の判別がとても難しい。魚の筋肉の中にある遊離アミノ酸という味成分は種類の違う魚でも誤差程度の違いしかない。
つまり、全ての魚の味はほとんど一緒という事になる。脂の量とイノシン酸という旨味成分の量が魚ごとに違うだけなので、脂の少ない背の部分を食べただけでは、熟練した寿司職人でもその判別が出来ない。
魚の脂の少ない部分は種類が違っていても全て同じ味。この特性は食糧危機問題に役立つ一面がある。注目されているのは「スマ」というサバ科の魚である。
スマ
画像元:Wikipedia
この魚は年々漁獲量が減少しているクロマグロと脂の量がほとんど同じで味が似ている。この特徴からクロマグロの代替魚としてスマの養殖研究が進められている。マグロと違って小型であることから、既存の魚の養殖施設を活用できるというメリットもある。
2018/9/21
カテゴリー「食べ物」