東京都渋谷区千駄ヶ谷にあり、ひときわ目を引く「NTTドコモ代々木ビル」(通称:ドコモタワー)。昼も夜もよく目立ち、新宿のランドマークになっている。
ドコモタワーは都内のビルの中では、ミッドタウンタワー、虎ノ門ヒルズ、東京都庁第一本庁舎に次いで4番目の高さ約240mを誇る巨大ビル。そんなドコモタワーの上層部(上の右側の写真に写っている部分)はなんとただのハリボテである。
ドコモタワーの1階から12階はオフィスで、13階から26階は通信設備などが設置されている機械室になっている。その上の27階からはハリボテで、そこは建物の中なのに鉄骨だらけでスカスカの状態である。その理由はこのビルが持つ重要な役割に関係がある。
このビルの高さ約220mの場所には緊急災害時に利用者に通信を提供するためのアンテナが付いている。ドコモタワーは「大ゾーン基地局」と呼ばれ、地震などの緊急災害時には警察や消防などの通信にも使用される。災害時の通信を支えるにはある程度の高さが必要になる。
通常の基地局の場合、ビルの屋上などに鉄塔を建てて高さを保つが、ドコモタワーは高層ビルが立ち並ぶ新宿の景観を維持するためにハリボテ状に壁が付けられている。もし鉄骨がむき出しの巨大ビルを建てると新宿の都会的な街並みが台無しになる。周囲の街並みに馴染むようにという日本人の美意識がここにも表れている。
ちなみに、このビルの最上部にある赤と白のアンテナのように見える部分はクレーンである。日々技術が進化する通信アンテナを交換するために32m級の巨大クレーンが最上部に設置されている。
リンク:Wikipedia
2018/11/29
カテゴリー「歴史・文化」