ハリー・ポッターの美術に関する豆知識

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、年間入場者数1500万人で、右肩上がりに成長を続けている。そんなUSJの中にあるハリー・ポッターの美術に関する豆知識である。

行った時に誰かに話したくなる豆知識その①は、映画の世界に入り込める仕掛けである。USJのハリー・ポッターエリアは映画を手がけている美術監督が監修しており、ハリー・ポッターの世界を忠実に再現している。

特に「地面」が注目ポイントで、加工を施して濡れたように再現している。その理由は、映画の舞台が雨の多いイギリスだからである。こうした何気ない濡れた地面を表現する事で、自然と映画の世界に入り込めるようにしている。

また、わざと歪んだ建物を建てて、映画の世界を再現している。建物は魔法で積み上げられた設定のため、歪んだり傾いたりしている。その映画の設定を忠実に守っている。

ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター

豆知識その②は、日本人スタッフの職人技である。特にシンボルのホグワーツ城では、城壁に苔があるが、これは職人が作った偽物の苔である。この苔は色の濃さでコントラストを際立たせ、城の立体感を演出するために作られた。ここまでリアルにこだわったのは日本のユニバーサル・スタジオだけである。さらに、エリア内にある木にも職人技があり、映画でも使われる遠近法を用いて、城が大きく見えるように樹木の高さなどを調整している。

また、トイレも古びたように汚れが付けられている。これはイギリスの田舎のトイレを再現したもので、全て塗装で付けた汚れである。パークの営業時間終了後に専門のスタッフが巡回し、毎日壁の塗装をチェックする。そして、特殊な塗料を使って剥がれた部分の塗り直しを行っている。これも日本オリジナルの演出である。

おまけの豆知識をもう1つ。映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に出てくるトランクは、撮影の用途に合わせて、アクション用(ゴム製)、アップ用(ファイバー製)、CG用、金具部分の特別加工製、床面をくり抜いたものなど、様々なパターンのトランクがあり、映画1本のために17個のトランクが作られた。このトランクは市販品のものではなく、一から作られたものである。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

また、杖はそれぞれのキャラクターをイメージした個別のデザインになっている。そのため、この世に2つとないものである。

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2018/10/23

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カテゴリー「歴史・文化

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