座布団の前と後ろの見分け方

日本で古くから使われてきた「座布団」。何気なく座っている人も多いと思われるが、座布団には「前と後ろ」がある。

座布団

座布団の前と後ろの見分け方は、座布団がどのようにして作られるかを知っておくと分かる。座布団は一枚の布を半分に折り、三辺を縫って作られる。そのため、縫い代が三方に出来る。一辺のみ縫い代がない側面があり、それが正面である。縫い目のない方を正面から見ると美しく見え、そこに膝頭がくるように座るのが正しい作法とされている。子どもの頃から慣れ親しんでおくと安心である。

座布団

また、京都産の座布団は一目で前後が分かるように印が付けられている。それが「とじ」と呼ばれる座布団の真ん中にある中の綿がずれないように施られている糸である。一般的な座布団のとじは「十字」なのに対し、京都産の座布団は「人型」をしている。人型の上の方が前を指すように作られている。おもてなしの心を大事にする京都では、お客さんに失礼のないように、座布団の正面が上から見ただけで分かるように印を付けたと言われている。

ちなみに、座布団の表はこのとじがある面で、座布団にカバーをかけた場合はファスナーがある方が後ろ側になる。また、座布団は一見すると正方形にも見えるが少し縦長になっている。一般に最も広く流通している銘仙判(めいせんばん)と呼ばれる座布団の場合は、59×55cmで片方が4cm長い。これは正座した時の膝下の長さが太ももを合わせた幅よりも少し長くなるためで、昔から縦と横で長さが違うと決められていた。

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2019/1/9

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カテゴリー「歴史・文化

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