チョコの暗黒世界史・カカオをめぐる圧政

チョコレートの原料であるカカオを生産するアフリカ諸国とヨーロッパとの間に本当にあった悲しい歴史である。

ヨーロッパの貴族たちに現在のような固形のチョコレートが食べられ始めたのは19世紀頃である。その後、産業革命を機に一般市民の間でもチョコレートが普及し、一つの産業として成長し始めた。そこで、イギリスやフランスを始めとするヨーロッパの列強諸国はカカオの栽培地にするため、アフリカ各国を植民地にしていった。

その流れに乗ってアフリカに進出した国の一つがベルギーである。ベルギーと言えば世界的に知られる高級チョコレートブランドが数多くあるチョコレート大国で、日本でも人気が高い。そんなベルギーが植民地にしたのが現在のコンゴ民主共和国で、1885年にコンゴの植民地化が始まった。

当時のベルギーの国王はレオポルド2世で、コンゴはその王様の私有地で、個人の物という扱いだった。ベルギーチョコの歴史とこの国王の圧政には深い関わりがあった。ヨーロッパの国々が文明化による発展を名目にアフリカ諸国を植民地化したのに対し、コンゴを私有地としたレオポルド2世は、自分が利益を得ることに専念した。

ノルマを課してカカオの栽培や天然ゴムなど天然素材の採取を強要した。ノルマを達成できない者は手を切り落とすという残酷な統治を行い、数百万人の先住民が犠牲になったと言われている。現在、多くの人が美味しいチョコレートが食べられる裏にはこんな暗黒歴史があった。

手を切り落とされるコンゴ人を尻目にコンゴで儲けるレオポルド2世を批判した風刺画
手を切り落とされるコンゴ人を尻目にコンゴで儲けるレオポルド2世を批判した風刺画

リンクWikipedia

2019/1/12

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「歴史・文化

関連記事