空港の滑走路の周りには芝生のような短い草が生えていることが多いが、草を短くしているのは安全を守るためである。
滑走路の草が長いと、鳥や人などが隠れてトラブルや遅延の原因になるためである。滑走路の草を短くすることで、鳥が集まったり、そこで巣を作ることを防ぎ、鳥が飛行機に衝突したり、エンジンに巻き込まれる「バードストライク」などのアクシデントを未然に防ぐことができる。これらの理由から、空港の草はこまめに手入れをして、草が短い状態を維持している。
ちなみに、滑走路の周りに草を植えている理由としては、非常時における飛行機のクッションとしての役割がある。そのほかに、有害な気流を治める効果や騒音の吸収、砂埃の飛散防止、土壌流出の防止などの役割が挙げられる。現在では舗装された滑走路が一般的だが、土や芝生など舗装されていない滑走路もまだ残っている。
滑走路の草に関連した情報で、大阪国際空港(通称:伊丹空港)では年に3回の草刈りを実施している。発生する刈草は年間約900トンにもなる。この膨大な量の刈草は、従来は処分していたが、現在では多くの鹿が生息する奈良公園へ飼料として提供している。また、刈草を活用して有機肥料「伊丹空港1号」「伊丹空港2号」を開発。空港内の農園で野菜作りに使うほか、地域の学校や近隣住民に配るなど、滑走路の草は有効活用されている。
リンク:ANA Trivia、Wikipedia
2019/4/13
カテゴリー「乗り物」