タンブルウィード(tumbleweed)は、アメリカの乾燥地帯の荒野などで広く見られる植物で、西部劇映画などで転がる様子が画面に登場する。
その名称の「tumbleweed」は「tumble(転がる)」+「weed(草)」という構成の語であり、風に吹かれて転がっている球状の枯れ草を意味する。あえて訳すと「転がり草」となる。生物学的に特定の種の植物を指しているわけではなく、ヒユ科、ヒガンバナ科、キク科、アブラナ科、マメ科、シソ科などの種類の草が、枯れてちぎれ、風に吹かれて転がり、タンブルウィードと呼ばれる。
日本ではあまり見られないタンブルウィードだが、アメリカやロシアなどの乾燥地帯で夏の終わり頃から見られる。タンブルウィードが大量発生してコロコロと街に押し寄せ、家の庭に山のように集まり住民を困らせたり、自動車のドライバーの不意をつき交通事故の原因になるなど厄介者として扱われることもある。
タンブルウィードとなる植物の一種であるヒユ科のロシアアザミは、ロシアが原産とされ、外来種としてアメリカのサウスダコタ州で1877年に発見された。ロシアの農業者が輸入した種子の中に混じって偶然に種子が持ち込まれ、それが広まったと考えられている。
タンブルウィードはただ転がっているように見えるが、転がりながら種子を落としたり撒き散らす働きがある。その結果として、その植物種が生き残ることや数を増やすこと、分布域を広げることに役立っている。
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2019/6/27
カテゴリー「生き物」