雷がジグザグに落ちる理由

雷が落ちる時のイメージは、一般的に真っ直ぐではなくジグザグである。なぜ雷はジグザグに落ちるのか。

雷

雷がジグザグに落ちるのは空気中の通りやすい方向を探して進むからである。一見遠回りにも見えるが、雷にとってはジグザグが地上に落ちる一番速い落ち方である。

雷は積乱雲という大きな雲が出来た時に発生する場合が多い。積乱雲は雲の中でも非常に大きく、縦方向に10,000メートルを超えることもある。積乱雲の中には大きな氷の粒と小さな氷の粒があり、激しい気流により氷の粒がぶつかり、その摩擦により静電気が発生する。

この時、小さな氷の粒はプラス、大きな氷の粒はマイナスの電気を帯びる。そして、プラスの電気を帯びた小さな氷の粒は軽いため雲の上に、マイナスの電気を帯びた大きな氷の粒は重いため雲の下に溜まる。雲の下のマイナスの電気の影響で、地上にはプラスの電気が溜まる。

氷の粒がぶつかって発生した静電気が雲の中でどんどん溜まり、電気の量が多くなると雲と地上との間で雷という放電が発生する。電気は本来、空気中を流れることが出来ないが、雷は電気を流そうとする電位差が大きいため、無理やり空気中を突き抜けて進む。この時、雷は進みやすい方向を探して進むため、雷はジグザグになる。

雷が進みやすい場所には2つあり、1つ目は空気の薄い所である。空気の薄い所とは、空気中に窒素や酸素などの分子が少ない状態を指す。分子が少ない所は雷にとって抵抗が少ない場所であり、雷が通りやすい。

2つ目は湿度の高い所である。湿度の高い場所、つまり水分量が多い場所には、水に含まれる二酸化炭素やカルシウム、金属物質が多く存在する。そのため、湿度が高い場所は電気を通しやすく、雷の通る道になりやすい。

雷は空気が薄い所、湿度が高い所など、空気中の通りやすい場所を通るため、真っ直ぐではなくジグザグになる。雷にとってはジグザグの落ち方のほうが近道をしていることになる。

リンクWikipedia

2019/8/25

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カテゴリー「生活・科学

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