シューマイ(焼売)の上にはグリンピースが載っているイメージがあるが、なぜグリンピースが載っているのか。これには学校給食が関係している。
実はグリンピースがシューマイの上に載っているのは日本発祥である。そして、シューマイのグリンピースは、もともとイチゴのショートケーキの真似をしたことで、載せられるようになった。
シューマイは14世紀頃の中国で誕生し、江戸時代の初めに、長崎の唐人屋敷を通して日本に伝わったとされる。そして、明治時代、横浜の中国料理店でシューマイが初めて販売され、その人気とともに日本各地に広まっていった。その当時のシューマイにはまだグリンピースは載っていなかった。
1954年(昭和29年)に「学校給食法」が施行されたことをきっかけとして、全国の小中学校において学校給食が実施されるようになった。しかし、ぼそぼそしたコッペパンや脱脂粉乳など当時の給食は美味しいとは言えず、子ども達にもあまり好評ではなかった。
当時の給食メニューを開発する人は、給食をより魅力的で夢のあるものにできないかと考え、試行錯誤していた。そんな中で、当時子ども達に人気だったイチゴのショートケーキを真似ることを思い付いた。そして、その時に目を付けたのが、ニュージーランドから輸入されたグリンピースだった。
そのグリンピースは日本にあったものよりも甘く、子どもに人気が出るのではないかと思い、シューマイにグリンピースを載せてみた。その姿がカッコいいと、給食に出してみたところ、予想は的中し、グリンピースの載ったシューマイは子ども達に大好評だった。
その後、グリンピースはシューマイだけでなく、ご飯に混ぜて「グリンピースご飯」としたり、肉じゃがやシチュー、スープなどに入れられて、給食を彩る重要な食材になっていった。
しかし、その後にシューマイの上からグリンピースが姿を消し始めた。これは、本格的な中国料理が日本に数多く入ってくるようになり、シューマイも本格的になり、エビシューマイやカニシューマイなど、グリンピースを載せないシューマイが増えたためである。
現在でも、シューマイの上にはグリンピースが載っているイメージがある。しかし、全く姿を消したわけではないが、実際には冷凍食品も含めてほとんどのシューマイにグリンピースは載っていない。
ちなみに、横浜名物の崎陽軒の駅弁「シウマイ弁当」の場合は、グリンピースは上に載っているのではなく、餡自体にグリンピースが混ぜてある。そのため、シューマイ1個にグリンピースが2粒入っていたり、1粒も入っていなかったりする。
2019/10/19
カテゴリー「食べ物」