「ぼた餅」と「おはぎ」はどちらも、もち米とあんこを使用した食べ物である。基本的には同じものであり、主にお彼岸の供物として食される。
呼び方の違いについては諸説あるが、春のものを「ぼた餅」、秋のものを「おはぎ」と呼ぶ説がある。「ぼた餅」は小豆を春に咲く牡丹の花に見立てたことから「ぼたん餅(牡丹餅)」と呼ばれ、これが「ぼた餅」となった。一方、「おはぎ」は小豆を秋の七草の一つである萩の花が咲き乱れている様子に見立てたことから「おはぎ(御萩)」となった。
東京では春秋ともに「おはぎ」と呼んでいたとの指摘や、もち米を主とするものが「ぼた餅」、うるち米を主とするものが「おはぎ」であるという説もある。
また、地方によっては、こし餡を使ったものを「ぼた餅」、つぶ餡を使った使ったものを「おはぎ」とする説、サツマイモを使ったものを「ぼた餅」、餡を使ったものを「おはぎ」とする説など様々な謂れがある。
春に「牡丹餅」、秋に「御萩」と呼ぶ場合は、さらに夏に「夜船(よふね)」、冬に「北窓(きたまど)」と呼ばれる。
ぼた餅は餅と作り方が異なり、杵で搗(つ)いて「ペッタン、ペッタン」という音を出さずに作ることができ、隣に住む人には、いつ搗いたか分からない。そこから「搗き知らず」→「着き知らず」の言葉遊びで、夜は暗くて船がいつ着いたのか分からないことから「夜船」となった。
「夜船」と同様に「搗き知らず」→「月知らず」の言葉遊びで、月を知らない、つまり月が見えないのは北側の窓であることから「北窓」と呼ばれるようになった。
「ぼた餅」という言葉が使われることわざとして、「棚から牡丹餅」「開いた口に牡丹餅」「牡丹餅で腰打つ」などがあり、努力することなしに予期しない幸運が舞い込んでくることを意味する。
これらのことから「ぼた餅」が日本人の生活に密着した食べ物であったことがうかがえる。また、英語では日本語のまま「Botamochi」または「Ohagi」と呼ばれる。
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2019/10/30
カテゴリー「食べ物」