コアラが木に抱きつく理由

コアラは木の上で生活していて、ユーカリの葉をむしゃむしゃ食べたり、木に抱きついてジッと動かずに寝ていることが多い。

コアラ

コアラは主にオーストラリアの東部に生息し、そこは夏には日中の最高気温が49℃を超えるなどとても暑い場所である。そんな暑い地域で生きるコアラは不思議なことに水をほとんど飲まない。人間は熱くなった体を冷やすために水を飲むなどするが、コアラは水分の摂取を主食にしているユーカリの葉から行っている。

また、コアラは人間のように汗をかいて体温を下げられない。全身から汗をかいて体温を下げるのは、人間と馬ぐらいで、犬は荒い呼吸、猫は全身を舐めるなどして体温を下げている。

水も飲まない、汗もかかないコアラが体温を下げる方法、それが木に抱きつくというものである。この謎が解けたのは2014年のことで、コアラが抱きつく木はコアラの体温よりも低く、コアラは体の熱を木に移して体温を下げていた。コアラの体温は約36℃で、この時の気温は37.3℃、木の幹の温度は約30℃だった。さらに、コアラは気温が高いほど温度の低い木を選ぶことも判明した。

普段は主食にしているユーカリの木にいることが多いコアラだが、気温が高い時にはユーカリではなく、アカシアの木に登り涼んでいた。ユーカリの木の表面温度は約35℃、アカシアは約29℃で、コアラはより冷たい木を求めて移動している。

以下、コアラの不思議な生態についての余談である。コアラが木の上で生活している理由について、コアラは他の動物が食べないユーカリの葉を主食にしたことで、手も足も木に登りやすいように進化した。その代わりに地面での生活が苦手になってしまい、主に木の上で生活をしている。

また、コアラの赤ちゃんは母親のウンチを食べるという変わった生態がある。コアラのウンチにはユーカリの葉の繊維を分解する微生物が含まれていて、赤ちゃんは母親のウンチを食べることで微生物を体内に取り込み、ユーカリを消化できる体を作っている。

コアラの睡眠時間は1日約18~20時間とされ、22時間も寝ているとの情報もある。コアラはたくさん食べたユーカリの葉を寝ている間に消化している。ユーカリの葉には毒があり、それを解毒し消化するには大量のエネルギーが必要である。ユーカリの葉の消化とエネルギーの節約のため、コアラは多くの時間を寝て過ごしている。

リンクWikipediaWIRED.jp

2019/10/20

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カテゴリー「生き物

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