焼いたサンマの脇に大根おろしとともに添えられる緑色の柑橘類。これが「すだち」や「かぼす」である。
「すだち(酢橘)」と「かぼす(臭橙・香母酢)」は、どちらも「ゆず(柚子)」の仲間であるが、種類が異なる。
「すだち」のほうが小さく、香りが高く酸味があるのが特徴である。焼き魚や刺身、蕎麦に添えることで、料理の風味を引き立たせてくれる。果汁は食用酢としても用いられる。果汁以外では、青い果実の外皮部分を薬味おろしでおろすなどして、薬味としても利用される。また、「すだち」を用いた菓子も見られる。
「すだち」という名前は、もともと食酢として使っていたことにちなんで、「酢の橘」から「酢橘(すたちばな)」と名付けられたことに由来する。「すだち」の9割が徳島県産である。
一方、「かぼす」は「すだち」と比べてひと回り大きく、控えめな香りと爽やかな酸味が特徴である。焼き魚や刺身の薬味としても用いられるが、果汁を搾ってジュースやポン酢にすることが多い。また、果汁や果肉を用いて和菓子や洋菓子も作られる。
「かぼす」という名前の由来は明らかではなく、文献で確認できるのも第二次世界大戦後のことである。「かぼす」の9割が大分県産であり、「すだち」と「かぼす」は産地で見分けることもできる。また、「かぼす」は果頂部の雌しべの落ちた跡の周囲がドーナツ型にやや盛り上がるため、その大きさとともに外観からも区別できる。
リンク:すだち、かぼす(Wikipedia)
2019/11/1
カテゴリー「食べ物」