「関取」(せきとり)とは、大相撲の番付の階級の総称であり、「幕内」「十両」の力士を指す。
「関取」の呼称は、「名乗っただけで関所を通ることができた」ことに由来する。その他にも、力士は昔、仕事が相撲ではなく「関所を守ることが仕事だった」ことに由来する説もある。どちらの説も「関所」の「関」に由来することは共通している。また、「関取」の「取」は、「相撲取り」の「取」に由来する。
関所とは、交通の要所に設置された、徴税や検問のための施設である。関所は、単に「関」(せき)とも呼ばれ、街道などを行き来する人々を管理していた。
もともと関所は、その地元で力の強い「力自慢」を集めて守らせていた。その中から選りすぐりを集めて、朝廷で宮中行事として相撲を取らせた。そして、最も強い者を「関所」にちなんで「関」と呼ぶようになった。今でも横綱の「鶴竜関」や「白鵬関」のように力士の名前に「関」を付けて呼ばれる。
力士は「十両」に昇進することで、一人前の力士として認められる。そのため、「関取」は一人前力士の総称と言える。また、「関取」に対して、「幕下」以下の力士は「取的」(とりてき)、正式には「力士養成員」と呼ばれる。
2019/11/13
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