「イライラ」の語源・由来

「イライラ」とは、自分の思い通りにならない時などに神経が高ぶるさま、いらだたしいさま。また、このような状況を「イライラする」と表現する。

イライラする人

漢字では「苛苛」「苛々」と書く。「イライラ」の「イラ」は、古くからある言葉で、植物の「刺(トゲ)」のことである。イライラはイラを二つ重ねた言葉であり、トゲがたくさん出ている様子を表している。

トゲのある「イラクサ(刺草)」という植物がある。イラクサは、日本各地に分布する多年生植物で、葉の裏や茎に多くのトゲがあるのが特徴である。「トゲ(イラ)のある草」という意味で「イラクサ」と名付けられた。

イラクサ
イラクサ

このような植物の小さなトゲ(イラ)が肌に触れると、人は痛みや痒みで不快になる。そこから「イライラする」という言葉が生まれたとされる。平安時代に作られた日本最古の百科事典『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)には、「草の刺(トゲ)」のことを「いら(苛)」という内容が記載されている。

また、明治時代の文豪・夏目漱石が1906年(明治39年)に発表した名作『草枕』には、「刺(トゲ)に手を触れて見ると、いらいらと指をさす」と記載されており、トゲに刺さって不快な様子を「いらいら」と表現している。

現在でも、山口県や鹿児島県などで植物のトゲのことを「イラ」と呼ぶ人がいる。また、植物に限らず、魚の背びれのトゲを「イラ」と言う人もいる。このように「イライラ」の「イラ」は植物などの「トゲ」に由来する言葉である。

リンクコトバンクWikipedia

2019/11/18

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