富士山の頂上は何県なのか

標高3776mの日本で最も高い「富士山」は、山の北側が山梨県、南側が静岡県であるが、その頂上は何県になるのか。

富士山

日本の都道府県・市区町村にはそれぞれ県境や市境、区境などの境があるが、富士山の頂上の部分には県境がない。そのため、富士山の頂上は何県でもない。

珍しい県境として有名なのが、埼玉県・栃木県・群馬県の三県の境がある「三県境」である。山間部や川の中にある三県境が多い中で、この三県境は田んぼが広がる平地にあり、観光スポットにもなっている。

三県境(埼玉・栃木・群馬)

このように、日本では県境があるのが当たり前だが、富士山の頂上には県境がない。富士山の八合目より上は、実は私有地で「富士山本宮浅間大社」(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)の土地である。気象観測所や登山道を除いた全ての土地が浅間大社の境内であり、静岡県の富士宮市街にある「本宮」と、富士山頂にある「奥宮」にて富士山の神を祀っている。

この神社は、古来より噴火を繰り返す富士山を鎮める目的で建てられた。江戸時代、1600年の関ヶ原の戦いに勝利し、天下人となった徳川家康は、関ヶ原の勝利のお礼として、神社の造営とともに富士山の八合目以上を神社に寄進した。では、なぜ八合目より上だったのか。

かつて、富士山の火口の底に神様がいると信じられていた。そして、富士山の神に対する信仰のある富士講(ふじこう)や、山中で修行をする修験者(しゅげんじゃ)は、登山をした後、富士山の火口にさい銭を投げる「散銭」(さんせん)という儀式をして、お祈りをした。家康は富士山の火口を巨大な「さい銭箱」と考え、さい銭箱の底、つまり火口の底の八合目までを神社の「境内」とした。

これに由来して、八合目より上の土地は現在でも神社の境内であり、山梨県でも静岡県でもない。しかし、私有地でも県境はあるのが一般的である。明治時代、県境を決めようとしたこともあるが、山梨県と静岡県が富士山の所有権をめぐって譲らす、県境の決定は破談になった。

その後、1951年(昭和26年)に富士山頂の県境をめぐり両県知事が話し合いをしたが、折り合いはつかず、以後、県境を争わないことで一致した。2014年(平成26年)に富士山の世界文化遺産への登録を機に再び県境が注目されたが、両県で県境を定めることはなかった。そのため、現在でも富士山の頂上は何県でもない。

ちなみに、富士山の山頂には郵便局がある。この郵便局は浅間大社・奥宮の社務所内に設置されており、郵便番号:〒418-0011、住所:静岡県富士宮市粟倉地先。日本一高い場所にある「富士山頂郵便局」の所在地は静岡県となっている。

富士山頂郵便局

リンクWikipedia富士山本宮浅間大社富士山頂郵便局

2019/12/2

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カテゴリー「地理・地名

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