「面倒(めんどう)」には、「手間がかかってわずらわしいこと、見苦しいこと、世話、厄介」などの意味がある。
「面倒臭い」という言葉があるほか、「面倒な手続き」「面倒を起こす」「面倒を見る」などの使われ方がされる。
「面倒」という漢字は「めんどう」になってから当てられたもので、その語源は「めだうな」とする説がある。「めだうな」は「め」と「だうな(どうな)」に分けられる。鎌倉時代の『平家物語』に「罪つくりに 矢だうなに」という一文が出てくる。これは「無益な殺生で 矢を無駄に」という意味である。
「だうな」とは「無駄」という意味であり、「めだうな」の「め」は「目」のことである。「めだうな」とは「目が無駄になる」、つまり「見るのも無駄」という意味である。
「無駄なもの、無益なもの」という意味から、「体裁の悪いこと、見苦しいこと」の意味になり、現在のように「わずらわしいこと、世話」の意味に派生したとされる。
その他に、動詞の「めでる」に由来する説もある。「めでる」には「美しい物を褒める、感心する、可愛がる」という意味がある。褒める時の「恥ずかしい、決まりが悪い、見苦しい」といった複雑な感情が強調されて、「めんどう」へと変化したという説である。
また、「わずらわしい、大変面倒だ」という意味で使われる「面倒臭い」の「くさい」については、程度の甚だしさを表す接尾語であり、「面倒」を強調する意味合いがあるとされる。
2020/1/11
カテゴリー「語源・由来」