「ちりめんじゃこ」は漢字で「縮緬雑魚」と書き、ごく小さな魚を天日などで干したもの、またその食品を意味する。
その原料はイワシ類の子どもで、この子どもは「仔稚魚(しちぎょ)」とも呼ばれる。仔稚魚とは、魚類の成長過程における初期の発育段階の一つ「仔魚(しぎょ)」と、その次のステージの「稚魚(ちぎょ)」の総称である。
イワシ類の中でも特にカタクチイワシの仔魚が用いられることが多い。また、カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシ、シロウオ、イカナゴなどの仔稚魚は「シラス」と呼ばれる。
カタクチイワシは全国の沿岸域に生息する体長約7~10cmの小さな魚である。カタクチイワシの子どもを加工すると様々な呼び名になる。
地域によって呼び名が異なる場合もあるが、取れたばかりの状態のものは「生シラス」と呼ばれる。そして、茹で上げて釜から取り出した水分量が約75%のものは「釜揚げシラス」、さらに乾燥させ水分量が約40%のものは「ちりめんじゃこ」と呼ばれる。
「ちりめんじゃこ」の名前は、小さな魚を広げて乾燥させる様子が絹織物の「縮緬(ちりめん)」に似ていたこと、さらに小さな魚を意味する「雑魚(ざこ)」が合わさって「ちりめんじゃこ(縮緬雑魚)」になったとされている。
「ちりめんじゃこ」とはイワシ類の子どもを乾燥させたものである。ただし、「ちりめんじゃこ」の中にはイワシ類だけでなく、様々な海の生き物の子どもが混じっていることもある。
よく見つかるものにタコ・イカ・エビ・カニの子ども、珍しいものにタツノオトシゴの子どもが見つかる場合もある。ただし、製品としてはエビ・カニのアレルギー対策などのために、イワシ類以外のこれらの子どもは機械や手作業により取り除いている場合が多い。
2020/1/10
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