指を耳の中に入れると「ゴォー」という音が聞こえる。多くの人が一度は聞いたことがあるこの音は、筋肉の音「筋音(きんおん)」である。
血液が流れる音のようにも思えるが、これは筋肉の筋繊維が振動している音で、「筋肉が発する音」という意味で「筋音」と呼ばれる。
筋肉は細くて長い「筋繊維」が束のように集まっている。私たちが普段何気なく体を動かしている時も、この筋繊維が収縮と弛緩(しかん)を繰り返している。この筋繊維の収縮の時に筋音が出ている。
そのため、腕を伸ばした状態では聞こえず、腕を曲げた時に、筋肉の活動に合わせて筋繊維が収縮し、その振動音が腕と指を伝わり、筋音として聞こえている。
なお、指は腱(けん)であり、指には筋繊維がない、またはほとんどないため、指の筋音ではなく腕の筋音が聞こえている。
2020/1/16
カテゴリー「生き物」