壊れた物をくっつける時などに役立つ「接着剤」。しかし、接着剤は水に濡れるとくっつきづらく、剥がれやすいという弱点がある。
この「水に弱い」という長年の弱点を打開するため、接着剤業界がある生き物に注目している。それが海岸の岩などに固着している「フジツボ」である。
フジツボは海水の中でもしっかりくっつくことができ、しかも簡単には剥がれない。岩だけでなく、船底やロープ、クジラなどに付着しているフジツボも見られる。また、塩を含まない水中でもその接着能力は衰えない。
そんなフジツボの性質に接着剤業界が注目している。フジツボを研究することで、水にも強い接着剤が開発されるかもしれない。
ちなみに、フジツボは漢字では藤壺、または富士壺と書く。東北地方では、大型種のミネフジツボをツボガキと呼び、食用とする。
また、フジツボは節足動物の甲殻類に分類される。19世紀初めまでは、貝などと同じ軟体動物であると考えられていた。しかし、エビやカニなどの甲殻類と同じく自由遊泳性のノープリウスと呼ばれる幼生として孵化することが1829年に確認され、甲殻類に分類されるようになった。
ただし、フジツボは固着生活に適応しているため、体の構造が他の甲殻類とは大きく異なる。エビやカニが歩行に用いる脚に相当する部分は、海水中のプランクトンを濾過して食べるために用いている。
また、体を覆っている殻とそれを閉鎖する蓋はエビやカニの背甲に相当する。一方で、エビやカニと同じように成長に応じて脱皮をする。
リンク:Wikipedia
2019/12/21
カテゴリー「生き物」