「能」と「狂言」の違いとは

「能(のう)」と「狂言(きょうげん)」は、共に「猿楽(さるがく)」から発展した日本の伝統芸能である。

江戸時代までは「猿楽」と呼ばれ、明治時代に能と狂言は「能楽(のうがく)」と総称されるようになった。能楽は、1957年(昭和32年)に日本の重要無形文化財に指定され、さらに2008年(平成20年)にユネスコの無形文化遺産に登録された。ここでは「能」と「狂言」の違いについて簡単に確認してみる。


能

まず演目の内容について、狂言は日常生活での失敗談など滑稽さを演じる。台詞が多く、面白く笑える物語が中心で、現在のコントやコメディに該当する。一方、能はほとんど台詞が無く、全て音楽や謡(うたい)で表現されるため、ミュージカルやオペラに該当する。

狂言
狂言

例えば、酒を注ぐ時に狂言では擬音の「ドボドボドボ」と言うことが出来るが、能では擬音による表現が出来ず、酒をたくさん注ぐ、または少しだけ注ぐ場合に微妙な所作の違いで表現される。

その他の違いとして、狂言は面をつけないことが多いが、能は能面や仮面と呼ばれる面をつけて演じる。

登場人物について、狂言は「町の人々」であるのに対し、能はほぼ「物の怪(もののけ)」である。能では天狗や鬼、幽霊などが登場するファンタジーの世界を描くことが多い。上演時間は狂言が約30分なのに対し、能は約1時間30分である。

能は昔の難しい言葉やゆっくりとした謡などから眠くなる人も多い。一方で、能を見る時は寝てもよいとも言われる。能の表現は繊細であり、止まっている時間が長かったり、少しだけ動いたりといった所作があり、眠くなりやすい。また、能は夢の中の話を演じるため、時に虚ろな世界に入るのも見方として問題ないという意見がある。

リンク文化遺産データベースWikipediaコトバンク

2020/2/13

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カテゴリー「歴史・文化

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